特集1 救急医療のリベラルアーツ 働き方改革の本質と戦略
【Part 1】2024年,改正労基法がやってくる!
1.我々医療者は今,何と戦っているのか…コロナか?
小倉 崇以
1,2
Takayuki OGURA
1,2
1済生会宇都宮病院 救急・集中治療科
2栃木県救命救急センター
pp.10-19
発行日 2022年11月25日
Published Date 2022/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3105200003
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我々が今,戦っているものは新型コロナウイルス感染症(以下,コロナ)なのか。いや,違う。半分くらいは当たっているかもしれないが,正答ではない。コロナは突然にこの世に降りかかってきた天災であり(一部,人災と主張する者もいるが,確証はない),地球に大きな爪痕を残すことは間違いなさそうではある。しかし,今後何十年にもわたって対峙し続ける“恒常的な敵”であるとは考えにくい。
現に本稿執筆時点でも,新規内服薬の特別承認やさまざまなタイプのワクチン開発・承認がなされており,コロナ克服への道のりを我々は着々と歩んできている。では,我々医療者は今,何と戦っているのか…もっと恒常的な敵が目の前に姿を現しているのではないだろうか?
その“恒常的に”戦っている相手とは誰なのか。答えは間違いなく「少子高齢社会」である。「敵はそれだけではない!」とご教授くださる専門家も多いだろうが,救命救急センターを統括する筆者としては,目前に立ちふさがる最強の相手の1人がそれであることは疑いようがないとの感覚がある。
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