特集1 救急医療のリベラルアーツ 働き方改革の本質と戦略
【Part 1】2024年,改正労基法がやってくる!
2.救急部門における働き方はどう変わるのか
林 宗博
1
Munehiro HAYASHI
1
1日本赤十字社医療センター 救命救急センター/救急科
pp.20-27
発行日 2022年11月25日
Published Date 2022/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3105200004
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病院は,24時間・365日,文字どおり「不眠不休」で稼働している。救急部門はその代名詞的な存在であり,一般社会における平日の日勤勤務の時間内*1の外枠で,長大な時間外労働や休日労働が常態化した部門であろう。
筆者が「労働」をしてきた旧来の環境では,その成果を得るのに要する時間や効率性といった過程が問題として取り上げられることはなく,労働者の自由裁量による従事が可能であった。もちろん従前も労働基準は定められてはいたが,その労働に就く者が,課せられた労働条件を不当と認識しなければ,自ら労働すること(自己研鑽等も含め)が通例であった。また,仮に不当であると認識した場合でも,自己選択で就労している者(雇用契約が存在する者)は,思い切って職場を変えるという選択をとるのが一般的であった。
しかし,現在は令和である。時代とともに雇用形態の多様化や労務環境の整備が進むなか,どの職場でも「時間外労働」や「休日労働」に関する取り決めが必要となってきた。令和の時代においては,上記のような昭和の通例は,微塵たりとも許容されない風潮となりつつある。そしてそれは,「不眠不休」で稼働している救急部門にまで及ぶ話となってきている。本稿では,同部門での働き方の今後,および注目すべき課題や論点について考察する。
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