特集 COVID-19(ICUにおけるパンデミック対策)
はじめに—コロナとの共生に向けて,今我々ができることは何か
牧野 淳
1
Jun MAKINO
1
1東京都立墨東病院 集中治療科
pp.397-398
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200875
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2020年初めから続く新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックは,今なお我々の生活へ暗い影を落としている。外出先でのマスク着用や手指消毒は恒常化し,今まで対面形式で行われてきた行事の多くは簡略化やリモート形式へと形を変えた。この新しい生活スタイルは,時間や費用の節約という面で恩恵をもたらした一方で,本来人と人とのふれあいから生まれる心の絆や安心感を奪い,人々の心の中に不全感が残るようになった。度重なる緊急事態宣言で生じた経済的損失も大きく,この先我々の生活はどうなってしまうのか,パンデミックはいつまで続くのか,など心配の種は尽きない。
さて,本特集では「パンデミック」をテーマとして取り上げた。パンデミックとは新規感染症が短期間のうちに急速かつ世界的に広がり流行する状態である。かつてはペストや天然痘,結核のパンデミックで多くの人々が命を落としてきた。今回のCOVID-19パンデミックもすでに多くの死者を出しており,医療者はかつてない問題に直面している。本特集の目的は,現場で働く医療者がパンデミックを通じて得た貴重な経験を形として残し,今後のパンデミックへ備えることである。
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