別冊秋号 周術期管理
PART1 術前の準備
12 昔の常識は今の非常識?—絶飲食,剃毛,浣腸について
杉田 扶希子
1
1社会医療法人愛仁会 明石医療センター
pp.71-74
発行日 2020年9月15日
Published Date 2020/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200153
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患者の術後早期回復を目指して多職種からなる周術期管理チームが結成され,エビデンスにもとづく術後回復能力を強化するケアプログラムが見直されている。ERAS®(enhanced recovery after surgery)プロトコルが2005年に北欧諸国を中心として提唱され,周術期において推奨する対策が具体的に示された。日本の周術期管理においても安全に活用できることが,各学会,各施設で検証されている。絶飲食,浣腸の術前処置も方法や実施の必要性について見直しが進められている。同じく術前の必須処置であった剃毛も,1999年の米国疾病対策センター(CDC)による手術部位感染防止ガイドライン1)により,感染リスクを高めるため推奨しないとされ,剃毛を実施しない診療科が増えた。昔からの慣習として実施してきた処置の見直しによって,安全性の改善やストレス軽減など患者満足度の向上にも期待できる。
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