別冊秋号 周術期管理
PART1 術前の準備
10 昔の常識は今の非常識?—前投薬について
木山 秀哉
1
1東京慈恵会医科大学 麻酔科学講座
pp.61-64
発行日 2020年9月15日
Published Date 2020/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200151
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遡ること36年前,筆者が麻酔研修を始めた当時,手術を目前に控えた患者には,病棟で鎮静薬,鎮痛薬,抗コリン薬を投与するのが通例だった。ペントバルビタール,ペンタゾシン,アトロピンが典型的な麻酔前投薬の組み合わせであった。患者が歩いて手術室に来ることなど望むべくもなく,入室時に大鼾をかいている患者すらいた時代である。時は流れて今や手術患者の歩行入室は当たり前の風景になり,麻酔開始前の確認作業には本人の協力が欠かせない。麻酔前投薬の変遷は周術期管理,医療安全の変化と密接なかかわりがある。
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