特集 ホスピタリストのための栄養療法
Part 2 入院編:栄養療法総論
【コラム②】嚥下障害・誤嚥性肺炎—加齢や認知症,神経疾患などがある状況で考えるべきこと
官澤 洋平
1
Yohei KANZAWA
1
1愛仁会明石医療センター 総合内科
pp.630-637
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103901180
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嚥下は下顎,顔面,口腔,咽頭,喉頭,食道などの協調的な運動により成立する(図1)。嚥下の5期モデルでは先行期,準備期,口腔期,咽頭期,食道期に分けられる。咽頭期は咽頭や口頭の感覚刺激,脳幹での嚥下運動プログラミング,下位脳神経を介した嚥下関連筋の運動により行われ,最も複雑である。この複雑な協調運動が必要とされるために,一度障害されると改善しにくいうえ,さらに増悪していく。嚥下障害dysphagiaが起きると,栄養状態の悪化,オーラルフレイルの進行,さらなる栄養状態の悪化,とフレイル増悪のスパイラルが形成され,坂道を転がるように悪化の一途をたどることになってしまう。
本稿では嚥下機能障害のスクリーニングと検査の方法について紹介し,その結果を受けてとり得る選択肢を解説する。
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