Japanese
English
特集 誤嚥性肺炎とリハビリテーション
第2章 疾患病態別の誤嚥性肺炎予防
認知症に伴う摂食嚥下障害と誤嚥性肺炎の予防
Prevention of dysphagia and aspiration pneumonia associated with dementia
清水 充子
1
Mistuko Shimizu
1
1埼玉県総合リハビリテーションセンター リハビリテーション部言語聴覚科
キーワード:
認知症
,
誤嚥性肺炎
,
口腔期障害
,
咽頭期障害
,
代替栄養
Keyword:
認知症
,
誤嚥性肺炎
,
口腔期障害
,
咽頭期障害
,
代替栄養
pp.652-658
発行日 2024年6月25日
Published Date 2024/6/25
DOI https://doi.org/10.32118/cr033070652
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
内容のポイント Q&A
Q1 認知症者の摂食嚥下障害の特徴は?
認知症による摂食嚥下障害は,大脳の認知機能の低下により,それまでの経験により身につけ,口腔,咽頭の感覚受容器からのフィードバックを受けながら遂行していた運動中枢の統合が崩れるために,さまざまな問題が引き起こされる.多様な症状を引き起こしている背景は推察しにくく,個々人のさまざまな状況により症状の現れ方や対応への反応が異なり,試行錯誤しながら対応に苦慮することが多い.
Q2 誤嚥性肺炎合併後の機能評価において留意すべきことは?
誤嚥性肺炎に直結する咽頭期嚥下障害の有無を可能な方法で評価し,優先度をつけてポイントを押さえた対応をすることが生命を守るために大切である.また,栄養不良や加齢性のさまざまな変化に関する評価も大切である.
Q3 胃瘻栄養を検討するタイミングは?
食形態の工夫等で経口摂取を試みても摂取量が減少し,栄養状態の低下が認められたとき,and/or誤嚥性肺炎を繰り返す等,身体的な機能が低下する要因がある場合に胃瘻造設を検討する.本人の意思確認が困難な場合は,家族の意向を重視する場合もある.
Q4 代替栄養を希望しない場合にはどのように対応するか?
末梢点滴を継続して自然経過へゆだねる選択や,すべてを差し控えて自然経過へ導く選択があると考えられる.
Copyright© 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All rights reserved.