特集 ホスピタリストのための栄養療法
Part 2 入院編:栄養療法総論
4.入院中の栄養療法総論:①栄養投与ルートの選択—「腸管が使えれば腸管を使う」が原則!
宮島 功
1
Isao MIYAJIMA
1
1近森病院 臨床栄養部
pp.623-628
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103901179
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栄養投与ルートは経口摂取,経腸栄養,経静脈栄養の3つがあり,患者の状態や病態によって選択する。
経口摂取は,食べ物を口から取り入れ,咀嚼,嚥下を行い,食道・胃へ食べ物を送り込む。摂食嚥下機能が維持されていることが必要であり,最も生理的な栄養摂取方法である。
経腸栄養は,消化管を使用して栄養素を消化・吸収する方法であり,経鼻胃管を使用して胃に栄養剤を投与する方法や,胃ろう,腸ろうを使用して投与する方法がある。摂食嚥下機能が維持されていない患者であっても消化管を使用するため,腸管機能が維持される。
経静脈栄養は,静脈血中へ直接輸液を投与する方法で,消化管での消化・吸収を必要とせず栄養素や水分を体内に投与することができる。末梢静脈を使用する末梢静脈栄養(PPN*1)と,心臓に近い太い血管である中心静脈を使用する中心静脈栄養(TPN*2)の2つがある。
本稿では,これらの栄養投与ルートの選択において考慮すべき点をまとめる。
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