特集 咀嚼と嚥下と誤嚥性肺炎
咀嚼,嚥下,誤嚥性肺炎に関わる基礎知識
フレイル,サルコペニアと嚥下障害,誤嚥性肺炎
岡崎 達馬
1
,
出江 紳一
1,2
Tatsuma Okazaki
1
,
Shin-ichi Izumi
1,2
1東北大学医学系研究科肢体不自由学分野
2東北大学大学院医工学研究科リハビリテーション医工学分野
キーワード:
フレイル
,
サルコペニア
,
呼吸筋
,
嚥下障害
,
誤嚥性肺炎
Keyword:
フレイル
,
サルコペニア
,
呼吸筋
,
嚥下障害
,
誤嚥性肺炎
pp.500-502
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000125
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フレイルとは
フレイルを日本老年医学会は「加齢に伴う予備能力低下のため,ストレスに対する回復力が低下した状態」と2014年に提唱した。ここではフレイルの可逆性が強調され介入により健常な状態に戻りうる,とされた。また,フレイルの脆弱性は身体的な要素に加え精神心理的な要素や社会的な要素なども含む。身体的な脆弱性にはサルコペニアや骨粗しょう症等が関わり,精神心理的な脆弱性には認知機能障害やうつが,社会的な脆弱性には閉じこもりや経済的問題等が関わる1)。フレイルの診断には統一された診断基準はないが,本邦では以下の5つの項目,
1)最近の体重減少
2)筋力低下
3)疲労感
4)歩行速度低下
5)低活動性
のうち3つ以上が該当する場合,フレイルと診断するJapanese version of the Cardiovascular Health Study基準が頻用されている。この基準を簡易化したフレイル・インデックスも利用されている。
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