特集 私の看護はこれでいいの? ~若手看護師が苦慮する症状マネジメントのコツ~
【各論】 対応に苦慮する症状のマネジメント
嚥下障害による誤嚥性肺炎
大西 真倫
1
Masamichi ONISHI
1
1静岡県立静岡がんセンター看護部/摂食・嚥下障害看護認定看護師
pp.349-354
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango28_349
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事例紹介
E氏,70代,男性.食道がん.BMI:16.5.
通過障害のために,術前1ヵ月程度の絶飲食期間があった.手術は開腹食道亜全摘,胸骨後経路胃管再建,3領域郭清術を施行した.術後6日目に経口摂取開始となり,看護師が立ち会うとE氏は「こんなの噛まずに食べられるし,もともとおれは早食いなんだ」と話し,10分程度で食事を済ませていた.食事中むせることがしばしばあり,とくに嚥下後にむせることが多く,食後はガラガラとした嗄声と咳嗽があった.また,痰がらみはあるがうまく喀出することができていなかった.
その日の夕方の検温時,体温:37.8℃,経皮的動脈血酸素飽和度(以下SpO2):88%(室内気)となり,倦怠感が著明にあり.血液検査[CRP(C反応性タンパク):3.48 mg/dL,白血球数(WBC):11,200/μL]と胸部画像検査の結果,誤嚥性肺炎の診断となった.
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