特集 ホスピタリストのための栄養療法
Part 1 低栄養・低体重を示す病態の評価・治療
【コラム①】低栄養患者の再栄養で注意すべきリフィーディング症候群—リスク評価に基づいた栄養戦略で予防する
栗栖 美由希
1
,
吉田 稔
2,3
Miyuki KURISU
1
,
Minoru YOSHIDA
2,3
1聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 救命救急センター
2横須賀市立うわまち病院 集中治療部・循環器内科
3聖マリアンナ医科大学 救急医学
pp.616-621
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103901178
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低栄養患者への十分な栄養投与は重要であるが,急激な栄養投与は,重篤な代謝合併症であるリフィーディング症候群を引き起こすことがある。リフィーディング症候群は,1940年代半ばの太平洋戦争後の日本兵の研究で初めて文献的に報告され1),長年認識はされているものの,明確な定義や診断基準は示されていない。リフィーディング症候群の症状は,細胞内外への水分や電解質の移動で惹起される低リン血症,低カリウム血症,低マグネシウム血症などから現れ,場合によっては,けいれんや乳酸アシドーシス,呼吸不全,心不全といった重篤な合併症も含まれ,死亡することもある。
本稿では,リフィーディング症候群の病態と症状,発症リスク,予防,発症時の治療について述べる。
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