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1.Piperacillin-tazobactam compared with cefoxitin as antimicrobial prophylaxis for pancreatoduodenectomy:a randomized clinical trial. JAMA 2023;329:1579-88. PMID:37078771
研究デザイン│第Ⅲ相多施設オープンラベルRCT
背景・目的│周術期死亡率の改善にもかかわらず,膵頭十二指腸切除術(PD)後の手術部位感染(SSI)発生率は高いままである。広域抗菌薬の予防投与がSSIを減少するかよくわかっていない。ピペラシリン/タゾバクタム(PIPC/TAZ)がcefoxitin(CFX)と比較してSSIを減少するか検証する。
対象│適応に関係なく待機的に開腹PDを受ける18歳以上の患者(米国,カナダの26施設,2017年11月〜2021年8月)
介入・方法│周術期の抗菌薬予防としてPIPC/TAZ(3.375gまたは4g)を静脈内投与するPIPC/TAZ群,CFX(2g)を静脈内投与するCFX群に1:1の割合で無作為に割り付けた(隠蔽化あり,中央割付,置換ブロック法,患者-治療者非盲検)。術前の胆道ステントの有無により層別化。
プライマリアウトカム│術後30日以内のSSI発生(per protocol解析)
結果│試験は事前設定された中止基準に基づき,中間解析で終了となった。参加者778例[PIPC/TAZ群378例〔年齢中央値66.8歳,男性233例(61.6%)〕,CFX群400例〔同68.0歳,男性223例(55.8%)〕]において,30日以内のSSI発生率は,PIPC/TAZ群でCFX群よりも低かった〔19.8% vs. 32.8%,絶対差-13.0%(95%CI -19.1〜-6.9),p<0.001〕。術後敗血症の発症率(4.2% vs. 7.5%,差-3.3%,同-6.6〜0.0,p=0.02),臨床的に重要な術後膵液瘻の発生率(12.7% vs. 19.0%,差-6.3%,同-11.4〜-1.2,p=0.03)は,PIPC/TAZ群でCFX群よりも低かった。30日死亡率は,PIPC/TAZ群1.3%(5/378例),CFX群2.5%(10/400例)であった(差-1.2%,同-3.1〜0.7,p=0.32)。
結論│開腹PDを受けた患者において,周術期のPIPC/TAZの予防投与は,CFXと比較して30日以内の術後SSIの発生を減少させた。
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