連載 Clinician Update
ホスピタリストが押さえておくべき20論文をセレクト
官澤 洋平
1
,
石丸 直人
1
1愛仁会明石医療センター 総合内科
pp.492-499
発行日 2021年12月22日
Published Date 2021/12/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900928
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1.Inhaled treprostinil in pulmonary hypertension due to interstitial lung disease. N Engl J Med 2021;384:325-34.PMID:33440084
[研究デザイン]
多施設二重盲検プラセボ対照RCT
[背景・目的]
間質性肺疾患(ILD)患者の肺高血圧症(PH)に対し,現時点で承認された治療はない。プロスタサイクリンの安定した作動薬であるtreprostinil吸入の有効性,安全性はわかっていない。ILD患者のPHに対するtreprostinil吸入について,プラセボと比較した有効性と安全性を検証する。
[対象]
次の①〜③を満たす,無作為割り付けの6か月前に胸部CTで確認されたびまん性肺疾患をもとに診断された18歳以上のILD患者[①1年前までに右心カテーテル検査でグループ3のPH(肺血管抵抗3Wood単位以上,肺動脈楔入圧15mmHg以下かつ平均肺動脈圧25mmHg以上)を認める,②グループ3のPHが膠原病を原因とする場合は努力性肺活量70%未満,③ピルフェニドンまたはニンテダニブで治療中の場合は30日以上投与量が安定](93施設,2017年2月3日〜2019年8月30日)
[介入・方法]
スクリーニング後30日以内に,treprostinil群とプラセボ群に1:1に無作為に割り付けた(隠蔽化,置換ブロック法,患者-検者非盲検)。ベースラインの6分間歩行距離(6MWD)(≦350m,>350m)で層別化。
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