特集 病棟管理
Part 2 病棟での業務の実践
【コラム③】米国におけるホスピタリストの現状2.0—日本における医師業務軽減の必要性を考えて
石山 貴章
1
Takaaki ISHIYAMA
1
1セントルイス大学 内科 ホスピタリスト部門
pp.706-709
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900839
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1996年に初めて“Hospitalist”という言葉がオフィシャルに用いられてから25年がたち,米国はもちろん,日本における「ホスピタリスト」という言葉も,だいぶ市民権を得てきたと思う。ちょうどその過渡期に米国で内科レジデンシーを終え,ホスピタリストとして独り立ちした私も,さまざまな形で日本にこの「ホスピタリスト」という存在を発信する機会を得た。その後,いったん日本に帰国して臨床に従事したが,家族の事情もあり,2019年の1月より再びここセントルイスに居住し,再度,米国ホスピタリストとして働いている。
2013年に,本誌の記念すべき創刊号に同様のタイトルで書かせてもらった際には,まず「ホスピタリストとは何か?」という点を発信することに注力した1)。当時は,まだまだ日本国内では「ホスピタリストって何?」といった状況であったためだ。あれから7年が過ぎ,本誌の影響,あるいは「日本型ホスピタリスト」を実践する多くの方々の尽力により,日本でもホスピタリストという言葉は浸透してきたように思う。そのうえで,私自身もその「日本型ホスピタリスト業務」を実践し,やや空白期間をもって再度米国での臨床を実践している点で,日米臨床をよりよく俯瞰し,現在の米国臨床システムを紹介できるかもしれない,と考えた。
このような観点から今回,「米国におけるホスピタリストの現状2.0」と題して,本誌創刊当時から米国の現状がどう変わったのか,そして日本にとって有用と思えるシステムに関して述べさせていただく。
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