徹底分析シリーズ セボフルラン
コラム:なぜ米国で開発が中断されたか?
安田 信彦
1
Nobuhiko YASUDA
1
1学校法人慈恵大学 経営管理研究室
pp.442-443
発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100651
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◎日の丸麻酔薬
セボフルランは,池田和之先生がリーダーシップをとって丸石製薬によって日本で臨床開発され,今やグローバルに使われている代表的な吸入麻酔薬である1)。しかし,丸石製薬が開発権を取得する以前の1970年代に欧米で開発が開始され,1980年代半ばで完全に中断された。その後,日本での臨床開発を終え,臨床実績を積んだ後に,丸石製薬がアボット社と共同で欧米での臨床開発を行った。そのときに,さまざまな科学的な疑問を投げかけられたが,その根源は1980年代半ばの中断に根ざしている。中断理由の発信源に留学し,欧米における薬物動態試験を担当した筆者の経験を踏まえて,中断の背景を解説する。
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