特集 病棟管理
Part 2 病棟での業務の実践
10.病院内および退院時のケア移行—入院時からのリスク評価と対応を明確にした情報移行が求められる
大浦 誠
1
Makoto OURA
1
1南砺市民病院 総合診療科
pp.697-704
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900838
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高齢化に伴い,疾病の慢性化・複雑化が進み,同時に医療・保険・介護の分業化と,提供されるケア内容の細分化も進行している。医療においては急性期,亜急性期(回復期),慢性期など複数の場が提供されるようになってきた。患者は,急性期病院,回復期リハビリテーション病棟,地域包括ケア病棟,自宅(在宅医療),居住系施設など,さまざまな場を移動することが多くなっている。1人の患者に複数のサービス提供者がかかわるようになり,それぞれの連携を調整しつつ治療にあたることが医師の役割として重要視されている1,2)。
さらに近年は,入院期間の短縮により,ケア移行の頻度はさらに増加し,より早期の集中した入退院支援が求められるようになり,そのための早期からの連携が必要になってきている。その一方で,ケア移行時の情報移行は不十分なことが多く,それによって患者に多くの不利益が生じている。
本稿では,病棟診療医としてかかわることの多い急性期から慢性期において,ケア移行がなぜ重要なのか,どのような介入が有効かを解説する。
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