連載 米国のHealthcare Systems・1【新連載】
米国医療とホスピタリスト
反田 篤志
1
1Preventive Medicine Fellow, Mayo Clinic, Rochester
pp.116-119
発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900465
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本連載では,米国のHealthcare Systemsの概念を紹介するとともに,日本のホスピタリストが成功するためには,その施設のなかでどのような役割を果たすべきかなのかを考えていきたい。
連載第1回は,なぜ,どのようにホスピタリストが誕生し,拡大してきたのか,そのメリットならびに導入に伴う不安を,米国の医療事情をふまえて解説する。
“ホスピタリスト”という言葉が,米国で正式に認知されたのは1996年のことである。New England Journal of Medicine誌に掲載された,Dr. WachterとDr. Goldmanによる論文1)で,入院診療を専門に担当する医師の必要性とその役割が論じられ,そのような医師が“ホスピタリスト”と名づけられた。その後,1998年にNational Association of Inpatient Physicians(NAIP)が設立され,2003年にはSociety of Hospital Medicine(SHM)と名前を変え,ホスピタリストを代表する学術団体となった。SHMによると,2013年時点で,その会員数は1万人を超え,米国でホスピタリストとして働く医師は3万人を超える2)とされている。このように,米国では比較的新しい専門分野でありながら,ホスピタリストの存在感は急速に拡大し,その医療界における地位は確立されつつある。
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