特集 循環器疾患1
【コラム】PCI発展の歴史—ホスピタリストも知っておくべきPCIの問題点とその克服
鬼塚 岳志
1
Takeshi ONIZUKA
1
1University of Minnesota, Department of Medicine, Cardiovascular Division
pp.668-676
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900224
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1964年にDotterとJudkins1)によって末梢血管の血管形成術angioplastyが報告された十数年後の1977年,Grüntzig2)により冠動脈形成術coronary angioplastyが初めて施行された。血管形成術angioplasty以前の冠動脈疾患に対する治療法といえば,薬物療法とACバイパス(大動脈-冠動脈バイパス手術)(CABG)の2種類のみであった。1967年にCABGが初めて施行され,冠動脈疾患の根本的治療法として普及した3)。CABGは,薬物療法と比較してクオリティオブライフ(QOL)ならびに生命予後を改善する効果的な治療法であった4)。1980年代に冠動脈ステントが開発され,そのデバイス,システムにさまざまな改良がなされ,経皮的冠動脈インターベンション(PCI)が一般化した。これは医療分野における技術革新とともに,より低侵襲の治療法が望まれるようになった結果でもある(表1)。本稿では,その歴史的経緯を振り返る。
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