徹底分析シリーズ PCI
PCI進化の歴史—デバイスの開発とその治療成績
池田 長生
1
,
中村 正人
1
Nobutaka IKEDA
1
,
Masato NAKAMURA
1
1東邦大学医療センター大橋病院 循環器内科
pp.540-543
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201397
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1970年代に冠動脈バイパス術coronary artery bypass graft(CABG)が虚血性心疾患への治療法として普及し,胸部症状の改善効果,さらには左主幹部(LMT)や三枝病変での生命予後改善効果が示されていた。その中で1977年のGrüntzig博士によるバルーン形成術の成功は大きなインパクトを残した。以後,これまでの約40年間で経皮的冠動脈インターベンションpercutaneous coronary intervention(PCI)は急速な進化を遂げ,経験が蓄積されてきた。それは,術者の技術,薬剤,デバイスの進歩の歴史ともいえる。「病変拡張の成功→治療直後の急性冠閉塞のコントロール→遠隔期の再狭窄予防」とPCIの課題は変遷してきた。現在は初期成績がよければ,薬剤溶出性ステントdrug eluting stent(DES)によって安定した遠隔期成績を期待できるようになっており,PCIは成熟期を迎えたともいえる。安定した成績はPCIの適応を拡大する方向へ向かわせたことから,その適応の評価も重要な側面となってきている。
本稿では,これまでの薬剤,デバイス・技術の発展を振り返り,さらには今後のPCIの展望も含めて概説する。
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