特集 循環器疾患1
【コラム】血行再建術の選択—CABGかPCIか?その決定プロセスは?
小船井 光太郎
1
Obunai, Kotaro
1
1東京ベイ・浦安市川医療センター 循環器内科
pp.652-661
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900222
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安定冠動脈疾患(SCAD)の治療において,薬物治療や生活指導をはじめとした,ガイドラインに基づく内科的治療guideline directed medical therapy(GDMT)の重要性や有効性を支持するエビデンスが確立されてきている。従来よりもGDMTに重きをおいた治療こそが標準とされる現在,血行再建術はその目的やゴールをしっかりと検討したうえで適用されるべきである。冠動脈バイパス術(CABG)か経皮的冠動脈インターベンション(PCI)か。この選択には一定のルールもあるが,個々の患者において最適な血行再建術を決定していくプロセスでは,多くの因子に関する考察が必要であり,その決定は容易でないことも多い。
本稿では,SCADにおける血行再建術の選択を中心に,CABGやPCIのコンセプトの違い,ランドマーク研究の紹介,スコア化システム,ハートチームディスカッションなどを中心に,症例を交えて概説する。
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