特集 小児血管炎診療の基礎と臨床―IgA血管炎や川崎病だけではない多様な全身性疾患群―
Ⅲ.各血管炎の病態と診療
コラム:川崎病の研究の歴史と未来
鮎澤 衛
1
1神奈川工科大学健康医療科学部
pp.1185-1187
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000001795
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傑出した原著
川崎病の研究は,川崎による1967年の「アレルギー」誌への最初の報告1)に始まる.この論文は,川崎が経験した,特異な症状を示す未知の疾患50例について,「急性熱性皮膚粘膜淋巴腺症候群」という疾患名で,経過表や多くの症例写真とともに詳細に報告した1).44ページに及ぶ原著は,のちに英訳され世界の研究者たちから,「20世紀で最も優れたcase series」と称され,疾患名も敬意を込めて川崎病として定着している.英論文は1974年にPediatrics誌に掲載され,Kawasaki diseaseは世界中に認知されることになった.

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