とびら
作業療法発展の歴史
天児 民和
1
1九州大学
pp.413
発行日 1988年7月15日
Published Date 1988/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104053
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各種の作業を利用して人体の運動障害を恢復させる試みは紀元前にエヂプトで行われていた記録はある.また整形外科の創始者であるNicolas Andryも農耕,土木工事などを利用して訓練を行った.特に精神障害の患者にフランスのPinelは規則正しく作業を行うことにより症状の好転することを説き実行したが,病院の維持に必要な清掃や庭園管理を行い,しだいに治療から離れてしまった時代もあった.
近代的な作業療法(Occupational Therapy)は,20世紀に入り米国の医師George Edward Bortonの発案によると伝えられている.その結果この新しい訓練法を医学界に認めさせるためにNational Society for the Promotion of Occupational Therapyを結成したが,これは第一次世界戦争で米国は初めは参戦しなかったが1917年に参戦し,この年にBortonが活動を開始し翌1918年にはFredHoudlett AlbeeがニュージャージーにRecostruction and Rehabilitation Hospitalを開設してRehabilitation Commissionも設立しAlbeeが委員長を長く努めていた.このときにリハビリテーション(Rehabilitation)という用語が医学会に入ったわけである.
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