特集 周術期マネジメント
はじめに|周術期には,臓器横断的に診療するエキスパートが必要である
平岡 栄治
1
Eiji HIRAOKA
1
1東京ベイ・浦安市川医療センター 総合内科
pp.187-195
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900147
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■周術期におけるホスピタリストの役割
最近の超高齢化を反映し,内科疾患を多数合併した患者の手術症例が増加している。今まで通院歴がなくても,術前評価でさまざまな合併疾患が判明することもある。術前評価は,一般的には手術のための評価として行われるが,長期予後改善の良いチャンスとなるともいわれている。
例えば,喫煙者であれば,手術を無事終えるためにすぐに禁煙してもらう必要があるが,それをきっかけに継続的な禁煙に成功し,長期予後が改善することも期待できる。今まで判明していなかった労作性狭心症が病歴聴取で判明し,より厳格なリスク因子の治療や,アスピリン・スタチン導入のチャンスになる,といったこともある。これは周術期リスク評価とマネジメントだけではなく,長期予後を見据えることになる。つまり,周術期マネジメントにおいては,外科と麻酔科だけでなく,内科にも大きな役割があるといえる。
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