特集 ホスピタリスト宣言
はじめに|“Hospitalist”のホスピタリスト宣言
平岡 栄治
1
Eiji HIRAOKA
1
1東京ベイ・浦安市川医療センター 総合内科
pp.1-4
発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900451
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■今なぜ“ホスピタリスト”
筆者は2001年から2004年,米国のHawaii大学内科プログラムでレジデント研修を行った。その頃は,入院患者はプライマリケア医primary care physician(総合内科医internistまたは家庭医family practitionerである外来主治医)が入院中も主治医であって,病院総合医(ホスピタリスト)が主治医になるのはほんの一部の患者に対してのみであった。プライマリケア医は,オフィスでの外来診療と入院診療を担っていたため,早朝に病院に行き入院患者を診察し,9時頃から外来診療を行い,昼に病院に来て入院患者を診察,夕方外来が終了するとまた病院に診察に来る,という大変忙しい生活を送っていた。患者の健康状態や価値観をよく把握し,継続的に医療を行うため,患者の安心感が得られる利点がある一方,主治医が病院内にも外来にも常駐せず,ケアの効率が悪く,レジデントやコメディカルから主治医へのアクセスが悪いという欠点もあった。
この効率の悪さならびにアクセスの悪さという点もあって,1996年あたりから病院に常駐し入院患者のみを診るホスピタリストという医師が出現し始めた1, 2)。当初1000人くらいであったのが,2000年初めは7000人,2011年には3万人と年々増加している3)。ホスピタリストの学会であるSociety of Hospital Medicine(SHM)も誕生し,会員は年々増加している。以前と同様に患者それぞれにかかりつけ医(プライマリケア医)が存在し,外来で継続的に診療されてはいるが,入院となればホスピタリストが主治医となることが多くなった4)。
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