特集 アレルギー
はじめに|多面的かつ横断的,持続的な対応が求められるアレルギー診療のエッセンス
川畑 仁人
1
Kimito KAWAHATA
1
1聖マリアンナ医科大学リウマチ・膠原病・アレルギー内科
pp.1-2
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900744
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アレルギー疾患の特徴
アレルギー疾患は,今や国民の2人に1人が有する国民病ともよばれ,増加傾向にあることが指摘されている。気管支喘息による死亡数は減少傾向になっているものの,花粉症などのアレルギー疾患は増加傾向であり,医療機関を受診する患者数も増加している。また,食物アレルギーによる死亡者数は年間一桁台が続いているが,食物アレルギーの有病率は,乳児で約5〜10%,幼児で5%,学童期以降1.5〜3%であり,アナフィラキシーの既往を有する児童生徒は0.3〜0.4%程度いると考えられており,保育所・幼稚園などの約9割に食物アレルギー児が在籍している。
このようにアレルギー疾患は乳児から成人まで,小児科,内科,耳鼻咽喉科,眼科,皮膚科など多くの領域にわたり,また医療機関だけではなく,地域のコミュニティにおいてもそれぞれの立場で対応が求められている。そして,一人の経過においてもさまざまな形での疾患が表出し,日々の生活や生命にもかかわる疾患が含まれていることが,アレルギー疾患の特徴である。
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