特集 感染症2
④疾患各論
2.骨髄炎—診断のポイントと治療の原則,合併しやすい膿瘍疾患を押さえる
千原 晋吾
1
Shingo CHIHARA
1
1Virginia Mason Medical Center
pp.509-518
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900009
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■骨髄炎総論
骨髄炎は,骨の破壊と腐骨形成を特徴とする最も治療が困難な感染症の1つである。特異的な所見が少ないため,腰痛や不明熱の患者において,鑑別診断に挙げ,その診断を積極的に疑う必要がある。血行性で播種する骨髄炎,および糖尿病性足感染症*1を含むすべての骨髄炎症例を考慮すると,病原微生物はグラム陽性球菌が多く,なかでも黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)とコアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS*2)による感染が多い(後述)1〜3)。骨髄炎が疑われた場合,可能であれば感染症内科へのコンサルテーションを行う。
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