カラーグラフ 目でみる耳鼻咽喉科
急性扁桃炎ならびに膿瘍
中山 将太郎
1
1横浜船員保険病院呼鼻嘱喉科
pp.4-5
発行日 1979年1月20日
Published Date 1979/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208846
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生理的炎症臓器としての扁桃は常時慢性炎症状態下にあり,それによつて免疫機能を営むが故に,臨床でなるあらゆる扁桃は,慢性扁桃炎(第1,2図)でなけねば,それの急性増悪像である。このような急性増悪期にみられる扁桃,すなわち急性扁桃炎に:I.急性カタル性扁桃炎(第3図),II.急性沪胞性あるいは顆粒性扁桃炎(第4図),III.急性陰窩性扁桃炎(第5図)ならびにIV.急性潰瘍性あるいは実質性扁桃炎(第6図)がある。もらうん各型の間に移行型があり,扁桃以外の咽頭に炎症が波及し,急性咽喉頭炎,側索炎.急性扁桃周囲炎(第7図),扁桃膿瘍(第8図)ならびに扁桃周囲膿瘍(第9図)などを起こす。
過労,睡眠不足,気候の変化,風邪などの後に起こり易く,起因菌は溶レン菌(第10図)と黄色ブドウ球菌がよく知られ,肺炎球菌は稀にしか検出されない。
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