特集 疼痛・興奮・譫妄
モデルケース:回答2:躊躇わずに筋弛緩薬を用いて徹底して肺を守り,病態改善後はすみやかに浅鎮静を目指す
板垣 大雅
1
,
西村 匡司
1
Taiga ITAGAKI
1
,
Masaji NISHIMURA
1
1徳島大学病院 救急集中治療部
pp.114-117
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100629
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場面1:気管挿管
本症例の緊急気管挿管の実際
本症例の呼吸不全は重篤であり,人工呼吸の適応は明らかである。我々は緊急気管挿管において,フェンタニルの先行投与に引き続いてミダゾラムとロクロニウムを予定的に投与する迅速導入rapid sequence induction/intubation(RSI)を行う。
装着されている非侵襲的陽圧換気を用いて前酸素化を行いながらフェンタニルの先行投与を行い,気管挿管に伴うストレス反応に備える。作用発現が速く,持続時間の短いフェンタニルを2μg/kg緩徐に投与する。血圧低下には注意を要するが,鎮静薬の量を減じ,血圧を保つ効果が期待できる。鎮静薬は血管拡張作用,心抑制作用の強いプロポフォールやチオペンタールを避け,ミダゾラムを0.1mg/kg投与する。直後にロクロニウムを1mg/kg投与し,60秒後に気管挿管を行う。
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