特集 小児の集中治療の実践―躬行実践―
総論
管理方法 鎮痛・鎮静・筋弛緩管理
玉利 明信
1
,
川崎 達也
1
TAMARI Akinobu
1
,
KAWASAKI Tatsuya
1
1静岡県立こども病院集中治療科
pp.1295-1301
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001041
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はじめに
集中治療室(ICU)における鎮痛・鎮静に関するガイドラインは,かつては薬剤の薬理学的特性に関する記載が中心であったが,2013年に米国集中治療医学会がガイドラインを改訂してからは,痛み・不穏・鎮静・せん妄・不動・睡眠障害[とくに痛み・不穏・せん妄を中心とする(PAD:pain,agitation,delirium)]といった患者の症状ベースの記載に移行した。また,環境を整え痛み対策を十分に行ったうえで鎮静し(鎮痛優先の鎮静:analgesia-first sedation),痛みによるストレス反応やせん妄による入院期間の延長を予防・改善することが重要となってきており,評価ツールを活用し管理を行っている。とくに小児では発達段階により表現・表出が困難で,親からの分離による不安など過度のストレスにさらされるため,小児に適した評価ツールを用いて細やかな管理を行う必要がある。
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