特集 疼痛・興奮・譫妄
モデルケース:回答1:意識下挿管を行い,鎮静よりも鎮痛を積極的に行い,早い段階での抜管を目指す
今泉 均
1
,
数馬 聡
1
,
升田 好樹
1
Hitoshi IMAIZUMI
1
,
Satoshi KAZUMA
1
,
Yoshiki MASUDA
1
1札幌医科大学 集中治療医学
pp.110-113
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100628
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場面1:気管挿管
本症例は,肺炎による全身性炎症反応症候群systemic inflammatory response syndrome(SIRS)状態,すなわち敗血症である。さらに,低酸素血症(呼吸不全),高乳酸血症を伴う重症敗血症(2臓器以上の臓器不全の合併)と診断できる。平均血圧は65mmHg以上ではあるものの,高度の頻脈(132/min)と内因性カテコールアミン過剰分泌の状態で,組織酸素代謝の指標である乳酸値が高値であることから敗血症性ショックとして対応すべきである。また,非侵襲的陽圧換気noninvasive positive pressure ventilation(NPPV)による治療後の経過時間が記載されていないが,NPPV開始数時間以内に症状や血液ガス分析blood gas analysis(BGA)の結果が改善しない場合には,気管挿管の適応となる。さらに本症例は,NPPVに対し拒否的であることも合わせて考慮すると,気管挿管の絶対的な適応要件を満たしている。
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