徹底分析シリーズ 意識下挿管
意識下挿管に有用な鎮静法
萩平 哲
1
Satoshi HAGIHIRA
1
1大阪大学大学院医学系研究科 麻酔・集中治療医学講座
pp.120-123
発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100209
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意識下挿管は,挿管困難が予想される症例のほか,声門もしくはそれ以下の末梢気道に問題のある症例や誤嚥の可能性が非常に高いと予想される症例などにおいて行われる。
気管内に異物が入ることは生体にとって強烈な有害事象であり,咳反射だけでなく強い自律神経系反射を生じさせる。適切な前処置を行っていなければ非常に苦痛を伴うものである。したがって,全身麻酔において意識下挿管を選択する場合には,そのリスクとベネフィットを熟慮しておくことが大切である。また,意識下挿管を選択した場合にはできるかぎり患者が苦痛を感じないように(少なくとも苦痛の記憶が残らないように)考慮する必要がある。
本稿では,意識下挿管を行う際の鎮静法について解説する。なお,筆者の施設では挿管困難が予想される症例でも意識下挿管を選択することはほとんどないのが現状である。その理由についても後述したい。
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