- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
神経疾患による急性呼吸不全は,集中治療医のみならず一般内科医でも他疾患と比して経験する症例数は少ないと考えられ,その全体像がつかみにくい。神経筋疾患neuromuscular disease(NMD)と急性呼吸不全の大枠をとらえるため,筆者独自のマインドマップ(図1)を作成した。“NMDの可能性を疑う急性呼吸不全を呈する症例”に遭遇したとき,どういった視点でアセスメントするかに関しては,①呼吸にかかわる筋肉の確認,②急性もしくは慢性のNMDのどちらの疾患をベースに急性呼吸不全を呈したのか,③発症のスピードは,時間単位か,数日単位か,数週単位か,④疾患の障害部位は,脳・脊髄か,運動ニューロンか,末梢神経か,神経筋接合部か,筋肉そのものか,⑤外見(胸郭変形など)はあるのか,⑥診断のヒントになる病歴の有無,検査など,の大きく6つに分けて考える。本稿では,Guillain-Barré症候群(GBS),筋無力症性急性悪化myasthenic crisis,筋萎縮性側索硬化症amyotrophic lateral sclerosis(ALS)を中心に述べる。
Summary
●原因不明の呼吸器離脱困難例では,神経筋疾患(NMD)の可能性を念頭におく。
●急性もしくは慢性のNMDのどちらの疾患をベースに急性呼吸不全を呈したのか,すなわちtimelineによる鑑別すべき疾患を挙げる(例:時間~数日ならGuillain-Barré症候群など)。
●NMDではGuillain-Barré症候群(GBS),重症筋無力症(MG),筋萎縮性側索硬化症(ALS)など頻度の高い疾患を考慮する。
●GBS,MG,ALSなどの各疾患における特徴的な症状を理解する。
●NMDにおいて挿管を考慮する所見を理解する。
Copyright © 2013, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.