検査データを考える
神経筋疾患の筋電図
馬場 正之
1
1弘前大学医学部附属脳神経疾患研究施設臨床神経部門
pp.69-73
発行日 1996年1月1日
Published Date 1996/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902602
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神経筋疾患診療と臨床電気生理学の役割
神経筋疾患とは脊髄前角運動ニューロン,末梢神経,神経筋接合部,筋線維などの病変によって筋萎縮や脱力をきたす疾患の総称である.この範疇に含まれる疾患は極めて多数にのぼり,運動ニューロン病やデュシェンヌ型筋ジストロフィーのように生命予後の不良な疾患も少なくない.しかも,症状は酷似するが治療可能な疾患も混じっている.したがってこの分野の医療従事者には,治療可能な疾患を速やかにえり分ける診断力と,患者や家族に子後についての正確な情報を提供する義務とが要求される.筋電図系の臨床電気生理学検査(神経伝導検査,針筋電図,反復刺激誘発筋電図)の主目的はこの点にある.本稿では,現在の筋電図系臨床電気生理学検査で神経筋疾患の病態をどこまで把握できるかを述べてみたい.具体的な波形の多くは割愛するので,後述の参考文献を参照してほしい.
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