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神経集中治療において,頭蓋内圧intracranial pressure(ICP)測定は重要なモニタリングの1つである。頭部外傷,脳卒中,くも膜下出血,急性肝不全などでモニタリングされることがあるが,主に頭部外傷の領域で研究が進められてきた。頭部外傷におけるガイドラインがBrain Trauma Foundation(BTF)から発表されている1)が,そのなかのICPモニタリングに関する部分の概要を表11,2)に示す。ICPモニタリングの有用性に関する質の高い研究は少なく3),前述のガイドライン1)でも最高でLevelⅡの推奨にとどまっている。このようななか,2012年末に最初の無作為化比較試験(RCT)4)が発表された。
本稿ではICPモニタリングが予後に関連するのかという点について文献的に概括するとともに,ICPを例にとって,モニタリングと臨床転帰の関係について考察する。
Summary
●ICPモニタリングの有用性について,現時点では質の高いエビデンスは乏しく,まだまだ議論のあるところである。
●Brain Trauma Foundationによる重症頭部外傷のガイドラインは,ICPモニタリングについて詳細に検討している数少ないガイドラインである。
●2012年末にBEST TRIP trialというICPモニタリングの有用性を検討したRCTが発表されたが,ICPモニタリングの有用性は証明されなかった。
●ICPモニタリングの有用性を報告する研究も多いが,ICPモニタリングは人工呼吸期間やICU滞在日数を延長させるという報告もある。
●今後はICPモニタリングをどう利用するのかということも含めて,その有用性についてさらなる検討が必要である。
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