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I.はじめに
近年,頭蓋内圧を測定する場合,ガラス管openmanometerよりもむしろpressure transducerを用いて測定する方が多くなつて来ている。これはopen manometerでは,既に指摘した如く21),実際の頭蓋内圧を測定出来ないことから来ている。即ち,open manometerでは,圧力を大気圧に開放することになり,且つ髄液を外部に取り出すことが加わるため,測定値の意味が全く変ってしまう。このため,現在では,正確な頭蓋内圧を測定することを目的とした場合,必ずPressure trans—ducerが使用されるようになつて来た。pressuretransducerを用いると,open manometerで問題となつた圧力低下と振幅圧に対するDamping効果が避けられるため,信頼度の高い圧力測定が可能となる。pressure transducerとは,圧力情報を電気情報に変換する装置を意味するが,現代では,このpressure transducerが電子工学の発達によつて,比較的容易に小型でしかも高感度のものが作られるようになつたため,種々の方式によつて圧力を測定することが可能となつた。更に又このような状況を背景として,近年,脳外科医を中心に,pressure transducerを硬膜の上に取付けて頭蓋内圧を測定する方法—頭蓋内圧の硬膜外測定法—がさかんに試みられるようになつた。この硬膜外測定法は,患者側の出血感染に対する危険を避けることが出来るので非常に望ましい方法であるにも拘らず,現在なお完成した方法はない。このため今後尚各種の圧力計が作られることになると考えられる。著者はそこで,これら各種の頭蓋内圧測定装置に関する評価及び開発を容易にする目的で,先ずpressure transducerの原理分類を行ない,次いで,頭蓋内圧測定法の臨床分類を行なつた。
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