特集 不整脈
6.非薬物治療について
(2)ICD植え込みの適応と問題点―どのような指標を用いて適応を決定すべきか
池田 隆徳
1
Takanori IKEDA
1
1杏林大学医学部 第二内科
pp.833-838
発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100127
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抗不整脈薬を使用しても治療に難渋する心室性不整脈に対しては,植込み型除細動器implantable cardioverter defibrillator(ICD)が選択されることが多い。現在,ICDをどのような患者に適応していくか,また,どのような指標を参考にして使用すべきかが専門医の間で議論されている。特に心筋梗塞後や心筋症などで低心機能となった患者では,致死性の心室性不整脈をきたしやすいため,ICDを心臓突然死の一次予防,すなわち「一度も不整脈イベントをきたしたことのない患者において積極的に使用すべき」との意見も出されている。
本稿ではまず,ICDの有用性を示した大規模試験の結果と,これまでのエビデンスを基に作成されたガイドラインの指針について述べ,これを踏まえて,どのような指標を用いてICDを適応すべきか,そして,ICDの機種選択と設定について解説する。また,関連事項として,電気的除細動の極意とelectrical storm(電気的嵐)の対処法についても解説したい。
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