特集 不整脈
6.非薬物治療について
(1)カテーテルアブレーションの現状―その適応を考えるうえでの基礎知識
福本 耕太郎
1
,
高月 誠司
1
Kotaro FUKUMOTO
1
,
Seiji TAKATSUKI
1
1慶應義塾大学医学部 循環器内科
pp.827-832
発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100126
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
カテーテルアブレーションとは,電極付きカテーテルを用いて心筋組織を壊死させ,不整脈の原因となるリエントリー回路を断ち切ったり,異所性興奮部位を壊死あるいは隔離させることにより,頻脈性不整脈を根治する治療法である。現在,アブレーションに用いられるエネルギー源として最も一般的なのは高周波である。心腔内に留置したアブレーションカテーテル先端電極と体表に貼付した対極板との間で高周波通電を行うことにより,カテーテル先端電極が接触している心筋組織温度を局所的に上昇させ凝固壊死させる。
近年,カテーテルアブレーションは多くの頻脈性不整脈の第一選択あるいは第二選択の治療法として広く行われており,心室頻拍,心室細動の一部,房室回帰性頻拍,房室結節回帰性頻拍,心房頻拍,心房粗動,心房細動が本治療法の適応となり,心房細動,心室細動以外の頻脈性不整脈ではほぼ根治といってよい成績が得られている。そして,心房細動においても近年は治療技術がめざましく向上し,治療成績も著しく改善してきている。
本章では,こうした最近の進歩を踏まえ,薬物治療に抵抗性で,緊急あるいは準緊急でのカテーテルアブレーションを検討すべき病態について記載する。
Copyright © 2009, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.