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Anesthesiology
Article:
Klompas AM, Zec S, Hanson AC, et al. Postoperative transfusions after administration of delayed cold-stored platelets versus room temperature platelets in cardiac surgery:a retrospective cohort study. Anesthesiology 2023;139:153-63.
■日本における血小板濃厚液の現状
血小板濃厚液の使用量は増加傾向にある。血小板濃厚液はほかの冷蔵保存の血液製剤と異なり,室温保存となっている。また,原則は受注生産であり,申し込めるのは納品日の前日13時までであり,キャンセルは当日9時半までとなっている。そのほか,生死に関わるような状況に対しては,緊急便発送が行われている。
使用期限は採血後4日間と短い。それは,長期保存によって生体内での凝集能・粘着能が低下するほか,輸血後の回収率も低下し,生体内寿命も短くなり,長期効果は望めないことによる。また,室温保存であるため感染リスクも生じる。実際に,令和5年度は人血小板濃厚液輸血による感染死亡例が報告されている。そのほか,血小板機能を良好に保つため,振盪保存することで血漿のpH緩衝作用を助長し,血小板周囲のpH低下が抑えられるようにしている。静置保存でも6時間程度までなら機能は低下しないが,その間30分おきに手で少し振盪すればpH低下の防止に効果的である。
血小板濃厚液には1,2,5,10,15,20単位製剤がある。15単位製剤の容量は250mLで3×1011個の血小板が含まれている。(照射)濃厚血小板-LR「日赤」の価格は約12万円と高価である。
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