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Anesthesiology
Editorial:
Mathis MR, Singh K, Kheterpal S. Moving from “surgeries” to patients:progress and pitfalls while using machine learning to personalize transfusion prediction. Anesthesiology 2022;137:9-12.
Article:
Lou SS, Liu H, Lu C, et al. Personalized surgical transfusion risk prediction using machine learning to guide preoperative type and screen orders. Anesthesiology 2022;137:55-66.
■術前の血液準備の変遷と問題点
術前の血液準備量は,術中の予測出血量によって判断されることが多い。以前は,患者ごとに交差適合試験を行った輸血用血液を準備していた。しかし,特定の患者のために準備された輸血用血液は他の患者に使用できないという問題点があった。無駄な血液準備を減らすために,血液準備量は交差適合血の準備量(C)と術式別の輸血量(T)の比(C/T比)を1.5以下にするのが一般的であった。現在は,術式に応じた輸血量を準備する最大手術血液準備量maximum surgical blood order schedule(MSBOS)を用いることが多い。
血液準備量は施設によっても,時代によっても異なっている。最近は,不規則抗体をもたない患者で,予測出血量が500〜600mL程度と少なく,術中輸血の可能性が30%未満のような場合には,術前に交差適合試験を行わず,血液型・不規則抗体判定Type and Screen(T&S)で輸血用血液を準備するのが一般的である。赤血球液の有効利用や,輸血部業務の省力化,経費削減などが可能となってきた。これらの血液準備方式の問題点は,主として術式が血液準備量の基準となっていたことである。
Louらは,術式のほかに患者要因を加えることで,適切なT&S血液準備量を決定する方式を検討した。
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