連載
THE Editorials
pp.546-547
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201989
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Anesthesiology
Article:
Colquhoun DA, Leis AM, Shanks AM, et al. A lower tidal volume regimen during one-lung ventilation for lung resection surgery is not associated with reduced postoperative pulmonary complications. Anesthesiology 2021;134:562-76.
■一側肺換気時の適切な人工呼吸器設定は?
急性呼吸促迫症候群(ARDS)や,全身麻酔による腹部手術において,肺保護換気を行うと肺合併症発生率が低下するという理由で,両側換気の場合の1回換気量は少なめ,中等度の呼気終末陽圧(PEEP)という設定がされる傾向にある。しかし,一側肺換気時の適切な人工呼吸器設定に関する研究は少なく,一側肺換気時の人工呼吸器設定についてはスタンダードはない。Millerの教科書(“Miller's Anesthesia”原書第9版)をみると,1回換気量は5〜6mL/kg(理想体重),PEEPは5〜10cmH2O,換気回数は12回/minとし,最大吸気圧は35cmH2O未満,プラトー圧は25cmH2O未満として,動脈血二酸化炭素分圧を正常に保つような設定が推奨されている。圧調節換気でも量調節換気でもよいが,肺全摘術や,ブラの存在,肺移植後には圧調節換気をすることが示唆されている。
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