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The New England Journal of Medicine
Editorials:
・Patiño AM, Marsh RH, Nilles EJ, et al. Facing the shortage of IV fluids - a hospital-based oral rehydration strategy. N Engl J Med 2018 Mar 21. doi:10.1056/NEJMp1801772. [Epub ahead of print]
・Mazer-Amirshahi M, Fox ER. Saline Shortages - Many Causes, No Simple Solution. N Engl J Med 2018 Mar 21. doi:10.1056/NEJMp1800347. [Epub ahead of print]
■輸液剤が不足している!
2017年9月20日にハリケーン“Maria”がプエルトリコを襲って以来,米国は深刻な輸液剤不足に陥っている。というのも,米国で使用している輸液剤バッグの44%がプエルトリコで生産されているからである。まず,薬物希釈用の50mLや100mLバッグが不足し,続いて500mLや1000mLなどの大きなバッグが不足する事態となっている。当初は,薬物をさらに希釈して大きなバッグに入れて使用するといった対処も行われ,一時的にブラジルから輸液剤を輸入するなどの処置もとられたようである。米国で輸液剤を販売しているのは,Baxter,B. Braun,ICU Medicalの3社のみである。製造販売会社が少数であれば,何か問題が起きたときには全国的な品不足が起こり得る。
輸液剤に限らず,薬物や血液製剤,医療物品でも,災害などにより同様のことが起こり得る。これまでも,肺動脈カテーテルやディスポーザブル喉頭鏡ブレードで,世界的な供給不足が起きたことがある。こうしたリスクを回避するためには,製造工場などの地域分散も考慮する必要がある。
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