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The New England Journal of Medicine
Editorial:
Chang EF. Brain-computer interfaces for restoring communication. N Engl J Med 2024;391:654-7.
Articles:
・Card NS, Wairagkar M, Iacobacci C, et al. An accurate and rapidly calibrating speech neuroprosthesis. N Engl J Med 2024;391:609-18.
・Vansteensel MJ, Leinders S, Branco MP, et al. Longevity of a brain-computer interface for amyotrophic lateral sclerosis. N Engl J Med 2024;391:619-26.
■筋萎縮性側索硬化症患者におけるコミュニケーションの問題
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は運動ニューロン障害であり,全身の筋力低下を進行性に起こす疾患として指定難病となっている。呼吸不全,構音障害,嚥下障害などを起こすが,体性感覚や視力,聴力などは保たれる。日本では1万人余りの患者が登録されている。
ALS患者とのコミュニケーションには,文字盤を用いる方法や,瞬目や眼球の動き,首の傾きなどの随意運動をセンサーで拾う方法(それぞれeye trackerやhead trackerといったデバイスを用いる)がある。これらには伝達能力の限界や,筋力低下の進行により使用が困難になるという問題点がある。今回紹介するのは,脳皮質内や脳表面に設置した電極で検知した発話意図に伴う皮質信号を,AI(artificial intelligence)を用いて言語化するneuroprosthesis〔brain-computer interface(BCI)〕である。BCIはトレーニングの必要性や精度の点から,まだ,実用的なものとはなっていない。
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