連載
THE Editorials
pp.104-105
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320010104
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The New England Journal of Medicine
Editorial:
Ostermann M, Shaw AD. Amino acid infusion to protect kidney function after cardiac surgery. N Engl J Med 2024;391:759-60.
Article:
Landoni G, Monaco F, Ti LK, et al. A randomized trial of Intravenous amino acids for kidney protection. N Engl J Med 2024;391:687-98.
■心臓手術後の急性腎障害の頻度が高い
心臓手術では急性腎障害(AKI)の発症頻度が高い。AKIは慢性腎臓病(CKD)を起こしたり,死亡率を上昇させたりするなど,予後を悪化させる重大因子である。人工心肺使用時には,腎血流量が50%以上減少したり腎髄質低酸素症や糸球体濾過量低下が起きたりする。アミノ酸の投与により,輸入細動脈の抵抗減少による腎血漿流量の増加や,尿細管糸球体フィードバックの活性化,腎皮質における一酸化窒素合成酵素活性の上昇,糸球体濾過量の増加が起こり,腎予備能が増加することが示唆されている。アミノ酸輸液により心臓手術後におけるAKI発症の抑制を示唆する日本からの報告(Kazawa M, et al. JA Clin Rep 2024;10:19)もあるが,対象症例数はわずか66例であり,対照群のAKI発症率も56%と高く,その効果についてはさらなる検証が必要である。
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