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Anesthesia & Analgesia
Editorial:
Perry TE, Prielipp RC. Yes you can-cautiously-infuse norepinephrine intraoperatively through a peripheral intravenous catheter. Anesth Analg 2020;131:1057-9.
Article:
Pancaro C, Shah N, Pasma W, et al. Risk of major complications after perioperative norepinephrine infusion through peripheral intravenous lines in a multicenter study. Anesth Analg 2020;131:1060-5.
■末梢静脈ラインからのノルアドレナリン投与は危険という教え
ノルアドレナリン(Nor)やドパミンは,「血管外漏出すると強い血管収縮作用によって皮膚壊死や組織壊死を起こす可能性があるため,末梢静脈ラインから投与してはならない」という教えがある。全身に到達する時間を考えても,これらの薬物は中心静脈ラインからの投与が推奨されている。
しかし,Norやドパミンを末梢静脈から投与した経験がある読者は多いのではないかと思う。筆者も,心機能が低下した大動脈弁狭窄症患者やその他の高度弁疾患患者の麻酔導入時に,予防的にNorやドパミンなどを末梢静脈ラインから持続静注をする場合がある。いつも,「本当は,これは末梢静脈ラインから投与してはいけないんだよ」という言い訳をしながら…。また,術中の低血圧治療で末梢から投与したこともある。これらの薬物の持続静注が必要な場合には,輸液速度も速く,また希釈した溶液をシリンジポンプで投与するため,薬物が血管に到達するときには,かなりの低濃度になっていることもリスクを低くしていると考えられる。
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