連載 判例ピックアップ 番外編
米国におけるオピオイドクライシスの本質—前編:そこで火の手は上がった
奥田 泰久
1
1獨協医科大学埼玉医療センター 麻酔科
キーワード:
非がん性慢性疼痛
,
オピオイド使用障害
,
OUD
,
Purdue Pharma社
,
Sackler家
,
オキシコンチン
,
裁判
Keyword:
非がん性慢性疼痛
,
オピオイド使用障害
,
OUD
,
Purdue Pharma社
,
Sackler家
,
オキシコンチン
,
裁判
pp.1304-1309
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201855
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●Summary
米国におけるオピオイドクライシスopioid crisisの始まりは,医療機関での非がん性慢性疼痛に対する医療用オピオイドの積極的な(時に異常な)処方にあった。しかしこの問題の本質は,オピオイド投与の是非ではない。製薬会社の暴走と,本来はそれを止めるべき医療・行政機関が機能不全に陥っていた社会的背景が複雑に絡み合って生じた1〜4)のである。したがって,米国におけるオピオイドクライシスで理解すべき点は,何がそのような状況を生み出したのかというその深層である。
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