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Anesthesia & Analgesia
Editorial:
Guay CS, Avidan MS. No brain is an island. Anesth Analg 2020;130:1568-71.
Article:
Hughes CG, Boncyk CS, Culley DJ, et al. American Society for Enhanced Recovery and Perioperative Quality Initiative joint consensus statement on postoperative delirium prevention. Anesth Analg 2020;130:1572-90.
■せん妄に対するハイリスク患者ケア加算が設けられた
術後せん妄は,覚醒状態,注意力,論理的思考が変動する急性の病態である。術後せん妄は,活動性が高まるhyperactive,活動性が低下するhypoactive,両者が混合したmixedの三つのサブタイプに分類されている。術後数日してから起こり,1〜2週間以内に改善する。しかし,術後せん妄を起こした患者では,入院期間やICU滞在期間,人工呼吸期間の延長や,医療コストの増加,精神身体機能低下による退院後の施設収容率,再入院率の上昇などが起こる。
令和2年度の診療報酬改定で「せん妄ハイリスク患者ケア加算」が創設された。この加算は,急性期医療を担う保険医療機関の一般病棟において,すべての入院患者に対してせん妄の危険因子の確認を行い,高リスク患者に対して「せん妄対策」を実施した場合に算定できるものである。入院中1回に限り,100点が算定できる。せん妄の危険因子の確認および高リスク患者に対するせん妄対策は,医療機関で作成したチェックリストにもとづき行う。入院前または入院後3日以内に危険因子の確認をするとともに,せん妄対策を実施したうえで,定期的にせん妄の有無を確認し,早期発見に努める必要がある。このような対策を実施したにもかかわらずせん妄を発症した場合でも,算定はできる。
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