徹底分析シリーズ 古くて新しい 炎症
全身麻酔薬と炎症反応—術後の転帰にどのように影響するか?
桑島 謙
1
,
内田 寛治
1
Ken KUWAJIMA
1
,
Kanji UCHIDA
1
1東京大学医学部 麻酔学教室
pp.820-824
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201742
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
手術侵襲に伴って,手術部位の局所炎症にとどまらず,感染,各種臓器障害(肺,腎),せん妄や術後認知機能障害といったさまざまな障害を経験する。これらの発症メカニズムに炎症がかかわっていることが広く認められるようになって久しい。炎症反応は生体内で免疫系や神経内分泌系が複雑に関連して惹起されている。われわれ麻酔科医になじみ深い麻酔薬もまた,炎症反応を修飾することが知られている。
本稿では,手術侵襲による炎症反応とその制御機構について述べるとともに,麻酔薬が炎症反応に与える影響について,特に免疫系に焦点を当てて概説したい。
Copyright © 2020, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.