症例カンファレンス
Fontan術後成人患者の虫垂切除術
長坂 安子
1
,
福田 旭伸
2
,
桑島 謙
3
,
稲冨 佑弦
4
,
林 愛
5
,
豊田 浩作
6
Ken KUWAJIMA
3
,
Yuzuru INATOMI
4
,
Megumi HAYASHI
5
,
Kosaku TOYOTA
6
1聖路加国際病院 麻酔科
2聖路加国際病院 循環器内科(現:カリフォルニア大学ロサンゼルス校 循環器内科)
3東京大学医学部 麻酔学教室
4福井循環器病院 麻酔科
5倉敷中央病院 麻酔科(現:順天堂大学医学部 麻酔科学・ペインクリニック講座)
6倉敷中央病院 麻酔科
pp.947-966
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201481
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先天性心疾患をもつ患者の多くが成人まで生存し1),心房中隔欠損(ASD)や動脈管開存(PDA)など,単純な先天性心疾患をもつ患者ならば天寿を全うすることができる時代になった。これらの患者が非心臓手術を受ける数も年々増加している2)。オペが決定されれば,非先天性心疾患の患者と比べ,術後合併症の発生率がオッズ比(OR)1.44と高い2)ため,予後がよいハイボリュームセンターへの転院が第一選択になる3)。
しかし,日本はハイボリュームセンターがまだ確立していないこともあり,地域に転送先がない,いわば最後の砦に相応する病院では,こうした患者を緊急に受け入れる可能性が十分にある。
そうした時に,どう対応するのか。今回の症例カンファレンスでは,Fontan循環を有する成人先天性心疾患を有する患者をテーマに,3施設の麻酔科医師に果敢に挑んでいただいた。
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