Japanese
English
研究と報告
認知症病棟における入院患者の転帰に影響を及ぼす要因分析
Analysis of factors affecting the outcome of inpatients in a geriatric ward for people with dementia.
菅沼 一平
1,2
,
上城 憲司
2
,
白石 浩
1
,
中島 龍彦
2,3
,
白木 潤子
1
,
太田 保之
2
Ippei Suganuma
1,2
,
Kenji Kamijou
2
,
Hiroshi Shiraishi
1
,
Tatsuhiko Nakashima
2,3
,
Junko Shiraki
1
,
Yasuyuki Ohta
2
1今津赤十字病院リハビリテーション科
2西九州大学大学院健康福祉学研究科リハビリテーションコース
3高良台リハビリテーション病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation, Imazu Red Cross Hospital
2Rehabilitation Course, Nishikyushu University Graduate School of Health and Social Sciences
3Department of Rehabilitation, Kouradai Hospital
キーワード:
認知症
,
認知症病棟
,
転帰
Keyword:
認知症
,
認知症病棟
,
転帰
pp.879-885
発行日 2012年6月10日
Published Date 2012/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102559
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要旨:〔目的〕本研究の目的は,認知症病棟における入院患者の転帰に影響を及ぼす要因について分析することにある.〔対象・方法〕対象は,自宅から認知症病棟へ入院した47名の患者およびその家族介護者である.患者と家族介護者の年齢・性別,認知症診断名,家族介護者の続柄,入院期間,入院前のサービス利用数,副介護者の有無,在宅介護期間,家族介護者の健康状態,認知症の行動・心理症状(BPSD)を家族が認知してから受診までの期間,家屋の問題,経済上の問題,介護負担感,介護肯定感,患者の入退院時における認知機能,重症度,日常生活動作(ADL),BPSD頻度,BPSD数について調査した.自宅に退院した患者(自宅群),施設へ退院した患者(施設群)の2群に分けて単変量解析を行い,有意差がでた項目についてロジスティック回帰分析にて分析した.〔結果〕2群間を比較した結果,入院期間は施設群が,在宅介護期間は自宅群が有意に長かった.また,退院時の認知機能,退院時のADL,入院時のBPSD頻度,入院時のBPSD数に有意差がみられ,いずれも施設群の重症度が高かった.一方,家族介護者においては,自宅群の介護肯定感が有意に高い値を示した.ロジスティック回帰分析では,入院期間(オッズ比1.013),介護肯定感(オッズ比0.854)が有意な変数として選択され,転帰との関連が示唆された.
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