病気のはなし
全身性炎症反応症候群
岡嶋 研二
1
,
趙 娟
1
,
成松 紀子
1
,
原田 直明
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科展開医科学分野
pp.6-9
発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102336
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サマリー
全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome,SIRS)とは,侵害刺激を受けた宿主の生体反応の一つで,sepsisとその関連病態の定義を統一するために提唱された病態概念である.具体的には,体温,心拍数,呼吸数,および末梢血白血球数のうち,2項目以上に異常が認められる場合がSIRSと診断される.すなわち,感染に起因するSIRSがsepsisと定義される.しかしながら,邦語の敗血症は菌血症を伴う重症感染症を意味しており,sepsisを敗血症と直接訳すことは混乱を生ずる場合がある.SIRSの病態概念が導入されることで,重症感染症の臨床治験における対象症例の重症度の評価がより客観的に行えること,また,感染症症例のなかでも重症化しやすいものの把握が客観的に行えるようになるなどのメリットが得られた.
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